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3分で読めるショートエッセイ

正しい犬の洗い方(失敗編)

ポンはシャンプーがとても嫌いだ。

私の洗い方が下手なせいか、ひどく嫌がる。

私もポンも機嫌よく洗い、洗われするのは、10回に1回程しかない。

以下の犬の洗い方は、私とポンとの失敗体験談であるので、決して参考にしないでほしい。

 

週に1度、夏場は週に2度ポンを洗う。

まず、私の髪をまとめ、腕まくりをし、気合を入れる。

寝ているポンに向かって「ポンちゃん、お~ふ~ろ~」っと突進する。

どんなに気持ちよく眠っていても、ポンはお風呂のひと言で、逃げていく。

私は、ポンを部屋のすみまで追い詰め、不敵な笑みを浮かべながら捕獲する。

そして、お風呂に連れて行きバタンとドアを閉める。

「出してくれ~、助けてくれ~」と必死にお風呂のドアをひっかくポンをつかまえて、

冬はぬるま湯、夏は水をかける。

暴れる → 押さえつける → ブルブルっとされる → 逃げられる → 捕まえる が繰り返される。

ポンを充分、湿らせておいて、シャンプーをつける。

説明は、円を描くように洗えと指示されているが、暴れるので出来ない。

とにかく泡立てようと思い、体をなでまくる。

既に、私の服はボトボトに濡れ、手はポンの爪でミミズ腫れになっている。

泡立てた後、シャンプーをつけたまま、10分間、放置せよと書いてある。

暇なので、本でも読んで待っていようと、風呂にポンを残したまま本を取りに行こうとすると、閉じこめられたと勘違いしたポンは「出してくれ~っ」とドアをひっかきはじめる。

バリバリと、すごい音が風呂に響き渡る。あわてて、本を取りに行って、風呂に戻り、泡だらけのポンを横目で監視しながら、椅子に座って本を読み始める。

瞬間、泡泡犬が私の膝に飛び乗ってくる。

いつでもどこでも、だっこを要求するバカ犬。

おろそうとする → おりない → 膝の上でブルブル  

これを何度も繰り返す。

私が、諦めようとする頃、10分経過したのに気がつく。

シャンプーを洗い流す。嫌がらせのようにブルブルを繰り返される。

目と口にシャンプーの泡が入って半泣きになってくる私。

ポンは頭を濡らされるのが、とても嫌らしく必死によけるので耳に水が入る。

ポンは、パニックにおちいり、私は、ビビリまくる。

顔のしわもきれいにしないといけないんだけど、とりあえずお風呂を出てからと思う。

バスタオルで体を包んで、拭こうとするが逃げられ、体中ボトボトに塗れたまま走り回られる。

完全に興奮状態になっているので、大声で叱ってもストップがきかない。

飲み水が入っている容器をひっくり返し、トイレに行ってウンチをする。

がやっぱり外す。

そして、めったに外さないオシッコも。風呂からあがった後は必ずといっていい程、微妙に外す。

トドメにペットシーツから流れ出た自分のオシッコにすべって、コケるポン

私は怒りのオーラを発しながら、ポンを捕まえて再度、洗う事になる。

やっぱり私はダメ飼い主である。

 

犬の名前

昔、一般的な犬の名前は、シロとか、クロとか、アカとか、その犬の色の名前が多かった。

うちの、歴代の犬達も、クロ、シロ、チャイロ、けむくしゃら、だった。

私が名付け親になってからは、スパンクとか、ジェルとか、少女漫画のキャラクターの名前になった。

今、考えるとこっぱずかしい名前ばかりだった。

そして、現在、一般の多くのブランド犬達のほとんどは、その色の名前で呼ばれる事はない。

クッキー、チャッピー、メロディー(かなり、太っているのでメロブーと呼ばれてるらしい・・・)などの、

小洒落た名前ばかりだ。

そして、うちの犬の名前は、ポン(PON)である。

パグ犬なので、どうしても、ひょうきんなイメージがついてまわるせいか、知人のパグ犬も

「ごん」と「ぶー」という名前だ。

最近、パグを飼っている事を人に告げると、「何色のパグ犬ですか?」っと聞かれる事が多い。

今まではフォーン(薄茶)が主流だったのだが、最近は黒いパグも増えてきたせいかもしれない。

たいてい、「茶色のパグ犬です。」と答えていたのだが、一度、ためしてみたい返答がある。

「なめくじ色」である。

私は、どう見ても、うちのパグ犬は、なめくじ色のなめくじ模様にしかみえない。

おなかはうす茶色で、背中に向けて、だんだん茶色になり、背中にすぅーっと黒い線が、一本入っている。

私は、基本的に、生物全般において嫌悪感を感じることが少ない性格だ。ゆえに、なめくじもそんなに嫌いではない。だから、自分の犬の形容を、なめくじに例えるのも抵抗がないのだか・・・

亭主に、うちのパグはなめくじ色だという話をしてみると、すごく嫌な顔をされてしまった。

母にも、同じ話をしてみたのだが「やめてよ~」と言われてしまったので、他人には、誰にも言っていない。

が、一度は言ってみたい「なめくじ色」である。

犬達の愛する食べ物

私は甘いものが苦手だ。

お菓子は、もちろんの事、料理に、砂糖を使っているのも好きではない。

ゆえに甘いニオイにも敏感になる。

先日、ポン(パグ犬♀)をだっこして、テレビを見ていると、どこからか甘いにおいがただよってくる。

うん??見廻してみてもなにもなく、再びテレビに見入っていても、やっぱりにおってくる。

落ちついて、ニオイの元をたどっていくと、だっこしてるポンの耳の中が強烈にくさい。

もう甘いにおいなんてものではなく完全に悪臭である。

耳の中をのぞいてみると、茶色い、にちゃにちゃしたものが耳の中全体にくっついている。

オエ~っと、思いながらティッシュでふき取るが、においまでは消えないし、

だんだん心配になってくる。早速、獣医さんへ連れて行く。

「アレルギーの為、細菌に負けて、こういう状態になっている」との事

「これで、耳の中を洗って、清潔に保つことが出来ますから・・・」っと

耳の洗浄液を渡される。

「え??こんな液体を、直接、耳の中に入れて大丈夫なんですか?」と不安がる私を見て

先生は、診察室で、ポンの耳を洗う、実演??をしてくださった。

洗浄液の入っている容器の口が長くとがっているので、耳の近くまで持っていって

ずずぅ~っと洗浄液を注入する。そして、耳の下のほうをもんでやると、

”グチュグチュ”という音がする。このもむ作業をしばらくして終了。後はほおっておけば大丈夫との事

「え??本当に大丈夫?耳の中に洗浄液はいったままの状態なのに?」っと言いそうになった瞬間

ポンは、首をぶるんぶるんと振り回して、耳の中の洗浄液は見事に、外へ・・・

汚れた液をびっちゃり洋服につけられた私と、すかさず避難して白衣を汚すことのなかった先生と看護婦さんは、苦笑いの状態で、診察室で固まった。

まさしく、プロと素人の違いである。

しばらくの間は、毎日、洗ってあげてくださいね、という忠告どおり、

次の日、ポンの耳の中に洗浄液を入れようとする。

逃げられる。

捕まえて、もう一度入れようとする。

こわごわするので、首を傾けられ阻まれる。

今度は、耳を引っ張って入れようとする。

逃げられる。

私は、意地になってくる

ポンも意地になって逃げようとする。

結果・・・

夫をまず捕まえて・・いや・・・手伝ってもらって

ポンを押さえつけて、無理やり耳の中に洗浄液を入れる。

そして、耳の下を、もみはじめればきもちいいのか

じっとして、目をほそめている。

しかし、耳の中に薬を入れられる事はすごく嫌らしい。

たしかにそうだ。人間だって耳の中に水が入ったら嫌だ。

私なんて半パニックになってしまう。

でも、やっぱり病気なってしまうほうがもっと嫌なので、押さえつけて

耳を洗う日が3日ほど続いた。

そうなると、もう洗浄液の容器を見ただけでぶっとんで逃げてしまう。

ポンちゃん、お耳、洗おうか?」と言う言葉にも反応してしまう様になってしまい

再度、獣医さんに相談・・・

そして教えてもらった解決策

まず、犬の見ていないところで、脱脂綿に洗浄液をたっぷりふくませる。

そして、手でしばらくあたためて、そっと耳元に持っていって、じゅうぅっとしぼる。

こうすると確かに逃げないし、嫌がらない。

今では、順調で、いつもポンの耳の中は清潔でにおいもしないし

犬もごきげん、私もごきげんである。

でも、こうなるまでにはさまざまな苦労が、思い出される。

一度、耳の中に薬を順調に入れて、もんでる最中に頭をぶるぶるっと

振られ、汚れた液体がとびちり、アッっと叫んだ私の口の中へ・・・

さすがにそのときは、ポンを飼った事を少し後悔した・・・

「明日、朝、起きたら、ポンに変身してるでぇ~」っと亭主の寒いつっこみに

ケリをいれたのを覚えている。

犬たちが愛する食べ物

 友達から、犬が好きな食べ物ベスト1を教えてもらった。

1位は、りんごだそうである。ウチの犬も、 りんごが大好きで、りんごと聞くだけで、どんなに寝ていても、ぶっとんで来て自分のお皿の前できちんとおすわりをし、お手の準備をしている。

「りんご」という響きに反応しているので、「いんこ」でも「タンゴ」でも「あんこ」でもぶっとんで来る。

この間は、「ちゃんと」という言葉にも反応して、お皿の前でおすわりをしていたので、重症である。

りんごもさながら、うちの犬は紙が大好きだ、紙で遊ぶんではなく、食べてしまう。紙は人間にとっても犬にとっても食べ物ではない。

犬の手の届く、いや、口の届くところにそんなものをおいておくのが、悪いのだが、つい置き忘れてしまい、食べられてしまうことが多々ある。

主人が、はまっていた、ドラクエⅦ の 手作りマップを4分の1食べられた。

(なんとか島のところだけきれいに食べていた。わざとか・・・)

2時間かけて作った、プレゼン用の案をメモした紙を半分食べられた。

(案を思い出すのに半日かかった。)

その他諸々、多大な被害をこうむっているのだが、すべては、飼い主の私のせいなのである。

腹が立つ反面、だいじょうぶかなぁ~ちゃんとウンチで出てきてくれるかなぁと心配

になってしまう。

でも、やっぱり、大事なものを食べられると、腹が立って怒ってしまう。

怒りかたは様々である。

「こらぁ~」と、オヤジ口調で怒ってみる。

「おまえは、ヤギかぁ~」とありきたりなつっこみを入れてみる。

この前、主人は「おまえは、シュレッダーかぁ~」と斬新なつっこみをいれていた。(たしかにそうだ、口で粉砕して、下から出すんだから・・・)

色々、怒ってみたけれど、やっぱり、目の前に紙があれば食べてしまう。

犬としては、紙は、食料と思ってるんだから仕方がない。

だから、絶対、犬の口の届くところに、紙なんか置いてしまう私が悪いのだ思うのである。

ちなみにおもちゃで、うちの犬が一番すきなのは、私の装着済みのパンストだな。

努力の結果

庭、もしくは玄関で、つながれて、あるいは放し飼いで一生をおくる いわゆる番犬は室内犬とはまた違った笑いを提供してくれる。

シロ(雑種♂)は、我が家にもらわれてきて以来、番犬として、庭と、父が作ったおそろしく趣味の悪い木製の犬小屋の中でしか生活をした事がなかった。

ストーブの温かさも、クーラーの快適さも知らず、また、掃除機の恐怖も知らない犬だった。

成犬になったシロは、自分の与えられた敷地内で、日々新しい挑戦をこころみるようになった。

そのひとつが穴掘りである。

庭のあちこちに彼が作成した作品(穴)があるのだが、その作品は3日ともたず

それにはまって、足首を捻挫した父によって埋められてしまう。

穴を掘っては、埋められ、また掘っては埋められの日々が続いた。

そして、シロはとうとう、究極の場所をみつけた。自分の犬小屋の下を掘り始めたのだ。

真夏のある朝、彼は、犬小屋の下を前足で、力強く掘りつづけ、納得がいくと自分の体を、穴の中にうずめ、鼻先だけを土の上に出し、満足そうにクンクンと鼻を鳴らした。

犬小屋の中にくらべて、穴の中は、かなり涼しく、快適らしい。

翌日もその次の日も、彼は日中をそこで過ごした。

家族もこれには、一目置いたらしく犬小屋の側を通るときは、穴の中で涼んでいるシロに向かって

「地下室があっていいね」っとにこやかに声をかける。

ご満悦である。

しかし、シロのご満悦は長くは続かなかった。

ある朝、私は、犬小屋が見える縁側に座って新聞を読んでいた。

すると、ザクッザクッっという音が聞こえてくる。目をやると彼がまた再び穴を掘っている。

新しい穴ではなく、犬小屋の下の穴を一生懸命掘っている。完成したと思われていた

地下室は未だ未完成らしく、より快適さを求めてか、奥に奥に、横に横に斜めに斜めに

と地下室の拡張工事が行われていた。

シロは、穴を掘り始めると、「キャウン、キャウン」と鳴くクセがある。

ずっと聞いていると「キャウン、キャウン」が「イヤン、イヤン」と聞こえてくる。一度そう聞いて

しまったら、「イヤン、イヤン」にしか聞こえず、つい笑ってしまう。

その「イヤン、イヤン」を聞きながら、再び新聞を読んでいると、急に「ギャン」っという大きな声が聞こえた。

私は慌てて縁側から飛び降りて犬小屋の近くに走り寄り絶句した。

犬小屋が大きく傾いて、穴に落ち込んでいるのである。

そして、頭をはさまれてパニックになっている。バカ犬一匹・・・

犬小屋を持ち上げてシロを救出し犬小屋を穴の横に置いた。

よっぽどこわかったのか、おしっこも漏らしていた。

シロが犬小屋にのされた原因は簡単である。犬小屋の床面積以上の穴を掘ってしまったのだ。

結果、小屋が傾いて、彼の頭を直撃したのである。

もうこれで、二度と穴掘りはしないだろうと思っていたのだが、ぜんぜんめげることなく、シロの穴掘りは再開された。犬の習性とはいえ、よほど好きらしい・・・

しかし、犬小屋落っこち事件は、彼に大きな精神的外傷を残してしまった。

この事件以来、シロは、決して犬小屋に近づかないようになったのである。

シロにしてみれば、穴を掘ったから、犬小屋が落っこちたとは解釈しなかったようで、

犬小屋が頭上から襲ってきた。

つまり犬小屋ってヤツは怖いヤツなんだと思ってしまったようだ。

しかし、犬小屋なしでは、生活は出来ない。

ここで、父の登場である。シロが穴を掘っている横で、父は、黙々と犬小屋を作り始めた。

恐怖感を与えないようするため、前の犬小屋とは全然違う形にして、丁寧に色までかえた。

そして、またまたおそろしく趣味の悪い犬小屋が出来上がり、家族のみんなを閉口させた。

シロは、新しい犬小屋を恐れることもなく、天寿をまっとうするまで、その中で眠り、小屋の隣に穴を掘りつづけた。

しかし、決して、犬小屋の下には穴を掘らなかったので、やっぱりちょっと失敗は自分に原因があったというのを知ってたかもしれないと思う時がある。

しつけの失敗(その2)

犬との生活は、私が生まれてからずっとなのだが、未だにしつけは失敗をする。       

今、飼っている犬は我が家にもらわれて来た時が生後1ヶ月で現在5歳だが、

抱っこ大好き犬にしてしまったのが、しつけの大失敗のひとつだ。

彼女は、いつも抱っこ、常に抱っこ、抱っこしてもらう事に命をかけている。

家族の誰かが椅子にすわると、ぶっとんでいって、抱っこしてもらおうとする。

どんなに、つきはなしても、強引に飛びのってくる。この前は夫の背中に

飛びのっていた。「おまえは、ネコか・・・」っとつっこんだが、見事にずり落ちて

いたので、やっぱり、犬だ・・・しかもかなりどんくさい犬である。

自分の体重が、10キロ近くあることを知らない彼女は、

毎朝、低血圧で超機嫌が悪い私の膝にも当たり前のように乗ってくる。

冬は、暖かいが、重い。

夏は、暑苦しくて、重い。

膝の上で、うるさいいびきと、けいれんしながら、白目むいて熟睡されると

カワイイというよりか、こわくなってくる。

でも、今さら、抱っこしないというのもかわいそうだし、

仕方なく、抱っこに応じているダメ飼い主である。

しつけの失敗(その1)

おしっこもうまくいった。エサも「待て」が出来るし、お手もおかわりも完璧である。

でも、ウンチのしつけは見事に失敗した。

ウンチは絶対トイレでしてくれない。

必ず外す。絶対外す。私の目を見つめながら、ウンチをトイレの外に落としてくれる。 

そして、用を足した後は、気分がいいのか、すっきりした顔で、陽気にはねながら、

私の膝にジャンプしてくるので、「もう、いいや」と思ってさっさと片付けてしまう。

家族も慣れたもので、トイレの横に外したウンチが転がってるのを見つけると

「おい、衛生班!!出動!!」っと呼びに来る。

私は、家では、衛生班と呼ばれている。(絶対、私の他にも、家族の人から衛生班と

呼ばれて日々、犬のウンチの世話に追われている人がいると思う)

トイレットペーパーと除菌剤で、サッと片付ける。

「ウンチ片付けさしたら、日本一だね」と言う、夫の寒い誉め言葉は全然うれしくない。

犬のしつけのプロから見たら、ぶっとばされそうだが、もういいやって感じである。

ただ、すぐ、気づいて、衛生班が出動できたときはいいのだが、誰も気づかず状態だったら

それを、踏んづける、または、蹴飛ばすという問題があるので、みんな、足元に

注意しながら歩く。

ちなみに我が家では、ウンチを踏んだとは言わない。

地雷を踏んだという隠語がいつのまにか存在している。

そして、地雷を踏んだ者は、必ず「ウンがついたから宝くじでも買おうかな」という

凍りつきそうな発言をするのが、我が家のルールになっている。