sabbathcafe

3分で読めるショートエッセイ

犬達の愛する食べ物

私は甘いものが苦手だ。

お菓子は、もちろんの事、料理に、砂糖を使っているのも好きではない。

ゆえに甘いニオイにも敏感になる。

先日、ポン(パグ犬♀)をだっこして、テレビを見ていると、どこからか甘いにおいがただよってくる。

うん??見廻してみてもなにもなく、再びテレビに見入っていても、やっぱりにおってくる。

落ちついて、ニオイの元をたどっていくと、だっこしてるポンの耳の中が強烈にくさい。

もう甘いにおいなんてものではなく完全に悪臭である。

耳の中をのぞいてみると、茶色い、にちゃにちゃしたものが耳の中全体にくっついている。

オエ~っと、思いながらティッシュでふき取るが、においまでは消えないし、

だんだん心配になってくる。早速、獣医さんへ連れて行く。

「アレルギーの為、細菌に負けて、こういう状態になっている」との事

「これで、耳の中を洗って、清潔に保つことが出来ますから・・・」っと

耳の洗浄液を渡される。

「え??こんな液体を、直接、耳の中に入れて大丈夫なんですか?」と不安がる私を見て

先生は、診察室で、ポンの耳を洗う、実演??をしてくださった。

洗浄液の入っている容器の口が長くとがっているので、耳の近くまで持っていって

ずずぅ~っと洗浄液を注入する。そして、耳の下のほうをもんでやると、

”グチュグチュ”という音がする。このもむ作業をしばらくして終了。後はほおっておけば大丈夫との事

「え??本当に大丈夫?耳の中に洗浄液はいったままの状態なのに?」っと言いそうになった瞬間

ポンは、首をぶるんぶるんと振り回して、耳の中の洗浄液は見事に、外へ・・・

汚れた液をびっちゃり洋服につけられた私と、すかさず避難して白衣を汚すことのなかった先生と看護婦さんは、苦笑いの状態で、診察室で固まった。

まさしく、プロと素人の違いである。

しばらくの間は、毎日、洗ってあげてくださいね、という忠告どおり、

次の日、ポンの耳の中に洗浄液を入れようとする。

逃げられる。

捕まえて、もう一度入れようとする。

こわごわするので、首を傾けられ阻まれる。

今度は、耳を引っ張って入れようとする。

逃げられる。

私は、意地になってくる

ポンも意地になって逃げようとする。

結果・・・

夫をまず捕まえて・・いや・・・手伝ってもらって

ポンを押さえつけて、無理やり耳の中に洗浄液を入れる。

そして、耳の下を、もみはじめればきもちいいのか

じっとして、目をほそめている。

しかし、耳の中に薬を入れられる事はすごく嫌らしい。

たしかにそうだ。人間だって耳の中に水が入ったら嫌だ。

私なんて半パニックになってしまう。

でも、やっぱり病気なってしまうほうがもっと嫌なので、押さえつけて

耳を洗う日が3日ほど続いた。

そうなると、もう洗浄液の容器を見ただけでぶっとんで逃げてしまう。

ポンちゃん、お耳、洗おうか?」と言う言葉にも反応してしまう様になってしまい

再度、獣医さんに相談・・・

そして教えてもらった解決策

まず、犬の見ていないところで、脱脂綿に洗浄液をたっぷりふくませる。

そして、手でしばらくあたためて、そっと耳元に持っていって、じゅうぅっとしぼる。

こうすると確かに逃げないし、嫌がらない。

今では、順調で、いつもポンの耳の中は清潔でにおいもしないし

犬もごきげん、私もごきげんである。

でも、こうなるまでにはさまざまな苦労が、思い出される。

一度、耳の中に薬を順調に入れて、もんでる最中に頭をぶるぶるっと

振られ、汚れた液体がとびちり、アッっと叫んだ私の口の中へ・・・

さすがにそのときは、ポンを飼った事を少し後悔した・・・

「明日、朝、起きたら、ポンに変身してるでぇ~」っと亭主の寒いつっこみに

ケリをいれたのを覚えている。